前回にもお話しいたしましたが、建設工事現場では目に見えない仕事が沢山あります。

実際の現場監督さんの仕事は、建物を造り上げるために現場の作業員さん(職人さん)達との打合せの他に施主、設計事務所の監理者、関係省庁、近隣住民さん等との打合せも頻繁に行っていかなければなりません。建設工事現場でのこれらのコミュニケーションの良否がプロジェクトの成否にも繋がってきますので、その現場の作業所長が責任者として責任を持ってあたることがポイントとなってきます。
いよいよ目に見えてくる工事の開始です!

②仮設工事

一言で仮設工事と云ってもその中には、色々な工事があります。
皆さんがよく見かける仮囲い工事もその一つです。

仮囲い工事を行うに当たってその材料を何でやるかの検討が必要になります。材料としては、既成フェンス・万能板(鉄板)・フラットパネル(アルミ板)・シート等があります。
設置する場所と境界との確認・道路借用の場合の管理官庁への届出確認、仮囲い高さ確認、仮囲い資材の搬入経路確認、近隣協定等での作業開始・終了時間確認(特に作業乗り込み時なので近隣も神経質になっていると思われるので気配りが必要)、そもそも、仮囲いは何で必要なのか?と云うことを理解しておかないと仮囲いの意味をなさなくなる。

仮囲いの主な役割は、

  1. 関係者以外の人が建設現場に出入りして第三者災害を起こさないようにする。
  2. 作業に伴う汚れが周囲に飛散しないようにする。
  3. 周辺からの廃棄物を不法投棄されないようにする。

以上のようなものだと理解して進めることが重要です。

建設工事現場では、重量物・長尺物等の建設資材が投入されます。
これらの資機材を所定の場所に場内運搬・場内揚重するには、クレーン・レッカー・工事用エレベーター・リフト等が必要となるので、これらの機種選定等の揚重機計画及び配置が必要となります。これも仮設工事です。

建設工事現場で欠かせないものに高所での作業をするための足場架設工事があります。(超高層建設工事等いわゆる特殊工事についての外部に関する足場は除く)
建設工事現場では、躯体工事(建物の骨組み)に欠かせない鉄骨組立に関わる付属仮設工事やコンクリート打設に関わるコンクリート圧送設備(コンクリートポンプ車)等も、仮設工事となります。
これらの他に、作業員の安全を守る飛来落下防止措置・飛散防止措置等の安全対策工事も仮設工事となります。
いわゆる仮設工事とは、建物本体に要求されているものではないが建物本体を造り上げていくために補助的に必要な工事であると理解していただければよいと思います。故に、建設工事現場ではこのような建物本体に要求されていないもの(お客様は本体建物以外に対価を払う事について多少なりとも抵抗感を持っている)についてコストを圧縮する努力が続けられております。
しかし、仮設であっても過剰に削減等をしてしまうと、安全面の確保や品質面の確保に問題が生じてしまうので十分な検討が必要となります。