これからいよいよ躯体工事(建物の骨組み部分)の始まりです。

⑤鉄筋工事

現在の日本の建物の基本的な躯体(骨組み)は、木・鉄筋・コンクリート・鉄骨等の素材で構成されております。

今回は、この素材を扱う工程の中から鉄筋工事についてお話したいと思います。

鉄筋工事は、躯体を造り上げる過程の中で型枠工事・コンクリート工事と共に非常に大きな部分を占めております。

鉄筋工事とは、読んで字のごとく鋼材を丸い断面に圧延して棒状にしたもの(最近では丸い断面に節をつけて付着性能を高めた異形丸鋼が主流となっている)を設計図に沿って鉄筋を加工し組立てる工事の事をいいます。【※ 建築現場では丸鋼の事をSR材・SS材、異形丸鋼の事をSD材と呼んで区別しています。】

コンクリートを打設して建物の形を形成していく為の型(型枠)を組み立てて行く工事(型枠工事)と連携を取りながら作業を進めていかなければならないので、躯体関連主要三業種間では緊密なコミュニケーションをとっていかなければなりません。これらの業種間調整を実施していくのも現場監督さんの仕事です。

鉄筋工事は、このように建物の躯体(骨組み)を造りあげていく中で非常に重要な職種となってきますので、現場を進めていく上で確認・管理していくポイントが沢山出てきます。

  1. 鋼材の確認(メーカー・メタルラベルと圧延マーク・サイズとサイズマーク等)
  2. 場外加工の場合 加工工場の確認(材料保管場所・加工能力・設備・作業員資質等)
  3. 加工鉄筋材料の搬入状況確認(トラック・近隣道路状況・揚重機等)
  4. 作業員資格確認(技能資格・労基法資格等)
  5. 鉄筋加工・組立施工計画の確認(施工図・加工図・手順書等)
  6. 工程計画・作業員配置計画
  7. 継手確認(圧接状況・機械継手確認・継手重ね寸法確認等)

以上の他にも現場では確認する事が数多くあります。

話は元に戻りますが、躯体(骨組み)の中で鉄筋とはどのような役目を果たしているかと云う理解をしなければなりません。鉄筋は躯体を構成している中で引張られる力に対して耐える役目を果たします。又、コンクリートは圧縮される力に耐える役目を果たします。このようにそれぞれの特徴を活かす事によって躯体構造を作り上げるのです。