⑦コンクリート工事

今回は、建物・構造物の強度を左右する工種の一つであるコンクリート工事について話をします。
コンクリートは前にもお話ししましたように、躯体構造の中で圧縮される力(押し潰される力)に対して有効に働きます。(鉄筋コンクリート造の場合、鉄筋は引張りに対して働き、コンクリートは圧縮にたいして働きます。)

基本的には、建物は鉄筋が少なくても又は鉄筋の強度が弱くても壊れるし、コンクリートの強度が弱くても、又はきちんと充填されていなくても壊れてしまいます!

そこで、この項目についてはコンクリート工事について重要な以下の事について説明します。

 

コンクリート工事の作業手順としては次のような大きな項目があります。

  1. 施工計画の立案(設計図書の検討・現場内外の状況調査・気象状況の事前調査・工程の検討・コンクリートの場内運搬方法の検討・作業員計画)

  2. 生コンクリート工場の選定・計約・発注(生コン工場の選定・生コンの契約・生コンの発注・生コンの配合)

  3. コンクリートのコンクリートポンプ車圧送計画(配管計画検討・配管方法検討・圧送業者選定・コンクリートポンプ車の機種選定)

  4. コンクリート打設準備(近隣及び関係官公庁への連絡・関連業者との打合せ・気象状況の記録・打設工区 打設順序及び打設方法の検討・打設段取り・関連工事の検査・作業員の編成及び配置・配車計画の検討・降雨時及び夜間作業対策・型枠内清掃)

  5. コンクリート打設(スランプ及び空気量の管理・コンクリート強度管理・運搬管理・打設方法指導・締固め方法指導・打継部処理の指導)

  6. コンクリート打設完了(打設完了点検・養生の指示・強度試験結果の確認・工事報告書及び施行記録作成)
     

コンクリートを打設するだけでも現場監督さんは上記のような主だった仕事があります。

上記の中でも特に気をつけなければならないポイントがいくつかあります。

  1. コンクリート材料の品質確認 (品質の級・コンクリートの種別・所要品質・特殊コンクリート等)

  2. 生コン工場の選定 (JIS表示許可工場・調合・品質管理・荷降し時指定の品質検査・圧縮強度等)

  3. 生コン工場から現場打込みまでの時間・打込み及び締固め方法

  4. 生コン打設終了後のコンクリート養生(天候・気温変化等の観察)

  5. コンクリート強度試験結果の確認

 

以上のように躯体工事の要であるコンクリート工事に関しては留意しなければならないポイントが沢山あります。

今回は、コンクリート工事(作業)の大きな流れについて大まかに話をしましたが、次回はコンクリート材その物について知っておきたいポイントをお話したいと思います。