国民生活センターには、毎年平均で3000件以上の太陽光発電に関する相談が寄せられています。

 

PIO-NETに寄せられた相談件数の推移

年度 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
相談件数 3,935 4,463 4,747 4,374 3,368 2,700

上記相談件数のうち訪問販売

年度 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
相談件数 2,808 2,971 2,803 2,437 2,000 1,620

*ソーラーシステムの相談 最近の事例 | 国民生活センター

具体的には、「不当に高額な契約」や「シミュレーションの水増し」といった契約時の失敗や、「反射光」「落雪」「補助金申請ミス」「雨漏り」「発電量が少ない」「業者の倒産」「土地設置の雑草」「騒音」「電磁波」など設置後のトラブルまで様々です。

もし、太陽光関係のトラブルでお困りなら、NPO日本住宅性能検査協会「建築・不動産取引問題に関する第三者委員会(※)」にご相談下さい。太陽光発電アドバイザーと一緒に、問題に対応します。

※NPO日本住宅性能検査協会「建築・不動産取引問題に関する第三者委員会」は、個人・中小企業の不動産取引問題や建築問題等を解決するための専門委員会です。委員会は、中立・公正な専門家のみで構成されます。

 

最近の相談事例

〇太陽光パネルに積もった雪が隣家に落下し、隣家の窓のひさしやレンジフードのひさしがへこみ修理代を請求された。修理代を設置業者に請求することは可能か。

〇太陽光発電を屋根に設置した。設置工事から半年後、屋根に雨漏りがあったので業者に修理してもらったが再度雨漏りした。設置工事に問題があるのではないかと考えるが、どうしたらよいか。

〇3カ月前に太陽光発電の契約をしたが、今になって屋根の強度不足によりパネルの容量が見積もりとは異なり、メーカーも変更すると販売業者から言われた。解約したい。

〇太陽光発電システムを契約し、業者に補助金の申請手続きも依頼したが、半年たっても補助金が入金されず、業者とも連絡が取れなくなった。どうしたらよいか。

〇売電目的で太陽光パネルを増設したが、電力会社が買い上げてくれない。解約を申し出ると、「買い上げない場合もある」と契約書に記載があるというが、解約したい。

〇環境調査だと言い自宅を訪問されたが太陽光発電システムの勧誘だった。長時間居座ったうえで悪態をつくなど悪質なので、情報提供したい。

〇昨年暮れに訪問販売で太陽光発電の契約をして代金の8割を払ったが、約半年過ぎた今でも取り付けてもらえず、業者との連絡もとれない。

〇自宅に訪ねてきた業者に最低発電量を保証すると説明され太陽光発電を取り付けたが、保証された最低発電量を超えたことが無い。解約できないか。

〇勧誘の電話をしてきた業者が来訪し、太陽光発電システムを契約したが、いったんクーリング・オフしてもう少し考えたい。クーリング・オフの仕方を教えてほしい。

〇父親が太陽光発電の契約をクーリング・オフした。国の補助金の申請を止めるために業者が訪問するというがどうしたらいいか。

 

災害による太陽光発電のトラブル事例

・台風で破損

まずは台風による太陽光パネルなどの破損が原因で起こるトラブルが考えられます。

台風による太陽光発電システムへの被害には、強風で太陽光パネルが飛ばされてしまう。

強風により架台が歪んでしまう。

大雨によって太陽光発電システムが浸水し、機器が故障してしまう。

 

・土砂崩れで崩壊

大雨などで地盤が緩くなったあと、斜面では土砂崩れが起こりやすくなります。山の木を切って太陽光パネルを設置しているような場合、土砂崩れに巻き込まれて太陽光パネルが崩壊してしまう危険性があります。それだけでなく、最悪の場合ですと近隣住民が土砂崩れの被害に巻き込まれてしまうことも考えられます。

 

・地震による売電機会の損失

地震が多発する日本ですが、規模の大きな地震の場合は太陽光発電への直接的な被害も懸念され、売電機会の損失も懸念されます。

 

・災害時の被害はメーカー保証だけではカバーできない

こうした災害時の被害は、メーカーが保証するシステム保証や出力保証では担保されません。台風や大雨などの被害から保証してもらうには、「動産総合保険」への加入が必要です。なお、動産総合保険でも、地震による機器被害については保証されませんが、リスクを軽減するためにどのような保証・補償があるかは予め業者に相談しておくべきでしょう。

 

機器の故障や工事で起きやすいトラブル事例

・太陽光パネルの破損(雨漏り)

太陽光発電の設置業者が、ずさんな工事を行った場合に発生しやすいのが雨漏りです。具体的には、屋根の瓦や防水部分に傷をつけてしまった場合、雨漏りに発展しやすくなります。工事実績が豊富な業者であれば、そういったミスは少ないと思いますので、依頼前に太陽光発電の工事実績を確認しておくのが重要です。

 

・パワーコンディショナーの動作不良

太陽光パネルの寿命は中には30年以上持つほど故障をしづらいものですが、パワーコンディショナー(パワコン)は精密機器のため故障に関する相談は多いです。パワコンの故障原因で最も多いのが、フィルターの目詰まりや経年劣化です。

パワコンは10年を目処に寿命がくるため、10年を目途に交換が必要になります。メンテナンスを怠ればもっと早く故障してしまう場合も考えられますが、10年以内であればほとんどのメーカーの保証期間内に該当するため無償交換が適用できます。

 

・太陽光パネルのホットスポットによる火災

太陽光パネルで起こりやすい不具合に「ホットスポット」があります。太陽光発電のホットスポットとは、パネルの上に落ち葉や鳥の糞などが付着し影ができると、その影になってしまった部分のセルがパネル全体の電気の流れをせき止めて抵抗となり部分的に発熱してしまう現象です。

 

ご近所との間で起きやすいトラブル事例

・反射光による近隣住民とのトラブル

対策としては、現状ですと設置前にパネルの反射光を計算し、反射光の影響が民家に生じないかを確認すべきです。また、設置業者は反射光についてしっかりと計算してくれる業者にお願いすると良いでしょう。

 

・草木、雑草による発電効率の低下

太陽光発電の発電量は、雲以外にも草木や電柱の影響によっても低下します。住宅用太陽光発電や、屋根の上に設置している太陽光パネルの場合は予め周囲の環境を確認することで影の影響を想定できますが、野立て産業用太陽光発電の場合は、夏場に成長した雑草の影によって発電効率が低下するというトラブルも報告されています。

 

・太陽光パネルからの落雪によるトラブルにも注意

 主に住宅用太陽光発電で発生しやすいトラブルとなりますが、太陽光パネルに雪が積もることでの発電量低下や、落雪による被害などのトラブルに繋がる場合もあります。

 

 

太陽光発電の補助金に関するトラブル事例

・貰えるはずだった補助金が受け取れない

契約段階で設置業者と話していた時には「補助金が出る」と言われていたのに、設置後に補助金が交付されなかった、といった補助金トラブルも報告されています。

 

・補助金トラブルが発生してしまう原因としては、

補助金申請前に着工しており、申請が受理されず工事を終えてしまった。

実績報告の期日までに完工ができず、その年度の補助金が交付されない。

業者との契約で起きやすいトラブル事例

 

契約前の業者とのトラブル事例

消費者庁の発表によると、契約前の業者とのトラブル事例では訪問販売によるものがほとんどのようです。

「光熱費が実質0円になる」

「売電価格が2倍になる」

「エコキュートなどの電化機器とセット」

 

契約後の業者とのトラブル事例

契約後の業者とのトラブルは、契約前に約束したことを「口約束だから責任は負わない」、「そんな約束はしていない」などと言われ反故にされてしまう事例があります。また、契約をキャンセルしようとすると「部材の加工料金を請求する」などと言われる事例も報告されています。

 

太陽光発電アドバイザーによる調停について

日本不動産仲裁機構(法務大臣認証裁判外紛争解決機関)の調停人基礎資格として認定されています。ADR 調停人となった太陽光発電アドバイザーは、(一社)日本不動産仲裁機構が実施するADR 手続きにおいて、ADR 業務を実施することができます。

 

太陽光発電に関するADR 案件例

  • 説明会において契約したが、その説明通りの発電量がない
  • 工事前の解約は有効と説明を受けたが、解約を申し出ると違約金を請求された
  • 国や自治体から補助金が出ると説明されていたが、支給されなかった
  • パネルが強風で吹き飛んでしまったが、業者と連絡が取れなくなった 等